宮内庁御用職人謹製革鞄、『匠の革トランク』の紹介とオリジナルトランク別注でお仕立てするサイト              

匠乃革トランクトップ
匠の技1
現役革トランク
昭和30年代生まれ。現役の革トランク
元は深紫の革だったそうです。
 兵庫県の豊岡では、古く奈良時代から杞柳産業が発展し、明治33年のパリ万博では既に多くの国からの注目を集めていました。
大正末期から昭和にかけてファイバー鞄(英国のグローブトロッターがファイバー鞄)が製造されはじめ、急速に全国へ販売網を広げ、昭和10年頃には鞄は豊岡の基幹産業とな
りました。

 戦後は新素材の開発や新しい技術の開発等で全盛となり、現在でも新素材バッグの生産では、全国的にも多くのシェアを誇っています。
しかしながら、近年コストダウンと合理化により多くの仕事が中国を中心とする海外へ流出し、鞄製造自体が危機に瀕しています。
 そんな中で、これまでの鞄製造の技術を集め、一朝一夕では修得できない技で鞄製造を続ける工場や、日々新しい素材開発を続けながら新しいマーケットへ時代に合わせた製品を送りだしている職人が多く存在し、現在でも国内随一の鞄産地であるのも事実です。

このページでは、そんな豊岡にあってメーカーの影に隠れたり、非日用的製品でトップの技術とシェアを誇りながらもなかなか表に出てこない工場や職人の技を紹介いたします。国内に存在する世界最高峰の技術を、どうぞご覧下さい。

リュック型トランク
「匠乃トランク 甲」第1号
ベースは同じ木枠で、縦型横型の2型作りました。
縦型はリュックタイプです。
表面にポケットをつけましたが、デザインミスでマチが小さくて手が入りませんでした。これも勉強。

旅行トランクケース
ジャバラ式のトランク
こちらは内部がボール芯(パルプ素材)で、柔軟性があるため旅行用にはピッタリ。

フタ部分がジャバラになっており、荷物の増減に対応出来ます。

型枠鞄、旅行用トランクなら国内一いや世界一!匠の技

良い鞄は成長する! 始めて氏の職場を訪れて知った事である。
私がバッグ好きになったのは、以前10年程勤めた雑貨輸入会社の仕事で度々イタリアの工場をまわっていた事が大きな原因だろう。
毎シーズン10数社の鞄工場をまわって商品を仕入れていた。
イタリアの革製品は確かに素晴らしいものである。デザインや革の加工技術、どれをとっても世界最高水準である。そんな工場の製造現場に接してきたのである。
そんなことで、以前から沢山のバッグを入手し使用してきた。
確かに鞄は成長する、といっても、使う人の癖に合わせて馴染んでくるのである。こんな経験は誰にだってあると思う。ナイロンのバッグならくたびれてくるだけであるが、革は伸びたり硬くなったり、使う人に馴染んでくる。使い込む程に馴染んでくる。しかし、いつかはくたびれて擦り切れたり破れたりして寿命を迎える。

匠の鞄は成長する。確かに日に焼けたり擦切れたり破れたりもする。しかし、そうではない成長がある。
トランクのベースは木枠である(主に桐)。その周りに革を貼ってある。これが本体で、そこに内装のポケットや間仕切りや把手等が付いている。大体先にくたびれるのは内装や把手からで、もちろんこれらは作りなおせる。

成長するのは本体である。ベースの桐と革とが長い年月で馴染んでくるのである。日に焼かれ、乾燥し、湿気を吸い、伸びたり縮んだりしながら馴染んでくる。
匠の作業場に古いトランクが置いてある。40年物の現役だ。

チョコ色のトランクは今なお現役である。初めは深紫のヌメ革だったそうである。チョコトランクは今でもピッタリと蓋がしまる。成長したからである。
それ以外にも多くのトランクやバッグが無造作に置いてある。埃をかぶったり光に焼かれたり、ただ置いてある。
こっちが20年位、そっちは実験的に作ってみた・・・等々。日常的な保管でどう変化するかを観るためだと言う。

桐の箪笥は引出しを閉めると他の引出しが飛び出てくる。気密性が高く内部の空気の逃げ場が無いためである。匠のトランクも蓋を閉める時に空気を孕む。あと1cmでエアクッションがかかったようにフーッと閉まる。これが10年30年と経つにつれもっと馴染む。そう、成長しているのである。

匠は革と桐枠の癖を熟知している。。革は使う部分によって全く違った性質を持つ。自分の体の皮膚を考えてみてもすぐ解る。背中と顔・腹・脇など場所によって張りや柔らかさが全然違う。これに皮から革へ加工される工程で色々な性質が生まれてくる。それを見極めながら、永年の経験でバランスよく貼ってゆく。これをきちんとこなせるから匠である。

「難しいのは糊だ。新しいのがどんどん出てくるで。糊も何十年経つとどうなるかみんならんけど、なかなかそうはいかんで」
匠はまだまだ勉強中と笑って答えた。

ハードブリーフケース

トランク内装

トランク付属トートバッグ

祝!第1号別注企画商品〜HORIKOSHIトランク

これは2003年1月に匠乃トランクとしてはじめて別注企画したトランクです。土木関係のお仕事の方で、とにかく頑丈に!ダンプにぶつけても壊れないように!1週間の出張で帰りにお土産が入れれるようにとの御希望でデザインしました。

角は補強の革当てが付き、型は丈夫な合板で本体木枠を作り大きな面にはウレタンのクッションが断衝材として入っています。
中仕切りは着脱式で、外せば本体と同素材のトートバッグに早変わりです(写真一番下)。お土産入れに作りましたが、沢山のお土産はちょっと厳しいですね。
内張りは落ち着いたペイズリー柄。内ポケットも機能性十分です。

頑丈に作りましたが、ダンプにだけは踏まさないで下さい。

匠2へつづく



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